「筋肉が増えた?筋トレ初心者が勘違いしやすい変化3選」
筋肉が増えるメカニズムを今すぐマスター
By 渡部 広介 公開日:2025-06-22
筋トレ開始から二ヶ月で筋肉が増えた!
筋力トレーニングを始めてしばらく経つと体重が増えるケースがあります。
体重が増えたことで「筋肉が増えた」と感じる方が多くいますが、実は筋肉が増えていなくても体重が増えることがあります。
筋力トレーニングでは体内に貯蔵されている糖質がエネルギーとして使われますので、筋力トレーニングの後は不足した糖質を食事で補給する必要があります。筋力トレーニングの直後は普段よりも糖質の吸収率が上がると言われています。これは血液中、筋肉中、肝臓中に蓄えられている糖質を速やかに元のレベルまで戻そうとする生理反応です。
糖質は体内で水分と結合しやすい性質があるため、糖質は腸で吸収される際に水分を一緒に引き込みます。
糖質は1グラムにつき3グラムの水分を保持すると言われていますので、筋力トレーニングによって糖質の吸収率が上がると筋力トレーニングを始める前よりも体が多くの糖質と水分を体内に蓄えるようになるわけです。
このような理由によって、筋力トレーニングを始めてしばらく経つと「水分量の増加」によって体重が増えることがあり、それを「筋肉が増えた」と錯覚してしまうケースがあります。
関連記事 脱!ジム迷子―ジム初心者のための継続術とは | GEMINI style
関連記事 ダイエッター必見のプロテイン活用術を専門家が紹介 | GEMINI style
筋肉が増えて「腕立て伏せ」が楽になった!
筋力トレーニングを始めた時には一回しかできなかった腕立て伏せが、一ヶ月後には五回できるようになった。
素晴らしい変化ではありますが、これは本当に筋肉が増えたことが影響しているのでしょうか。
▪ 筋力アップの影響
筋肉が増えるということは、筋肉を構成する繊維が肥大または増加することによって起こります。
そのためには既存の筋肉へ運動負荷をかけてダメージを負わせて筋肉繊維の再生を促す必要がありますが、筋力トレーニングの初期段階では日常的に稼働していない筋肉が動き始めることでこれまで以上の筋力を発揮できる、つまり腕立て伏せの反復によってこれまで使われていなかった筋肉が段階的に使えるようになり達成回数が増えることがあります。
筋肉が物質的に増えなくても腕立て伏せの達成回数が増えることはありますが、達成回数が20回や30回に増えた時は筋力アップを超えた筋肥大が起きている可能性も十分に見込めるでしょう。
▪ 運動神経の影響
筋力トレーニングを始めると神経伝達物質の分泌量が増加し、俗にいう「運動神経」が発達すると言われています。
これによって脳から発する指令がスムーズに筋肉へ伝わり、イメージするとおりに筋肉が動くようになります。
▪ 体幹筋力の影響
筋力トレーニングのメニューにもよりますが、多くの場合初期段階で「腹腔内圧(腹圧)」が向上していきます。
腹腔内圧が向上すると体幹支持力が上がりますので、筋力トレーニング全般のパフォーマンスに良い影響を及ぼすでしょう。
結果として腕立て伏せの達成回数が増えることにつながる場合があります。
関連記事 脱!ジム迷子―ジム初心者のための継続術とは | GEMINI style
関連記事 ダイエッター必見のプロテイン活用術を専門家が紹介 | GEMINI style
ランニングを始めたら脚の筋肉が太くなった!
「ランニングを始めたら太ももの筋肉が太くなった」とショックを受けている女性を見かけますが、多くの場合骨盤姿勢やランニングフォームの影響で太ももの前側に「張り」が出やすい走り方をしているようです。
筋肉が物質的に増えていなくても、太ももの前側が張ってくると筋肉が増えたと思ってしまいますよね。
関連記事 脂肪は減らない?―痩せたいのに痩せない人の特徴3選 | GEMINI style
関連記事 エナジーウォークで理想のヒップを手に入れる | GEMINI style
「トレーニングをするとすぐに筋肉が増えちゃう」と悩まずに、体組成計などで筋肉量をロジカルに分析しながら評価してみましょう。
渡部 広介(Kosuke Watabe)
株式会社フィットネスマーケティング 代表取締役社長兼CEO
[出身地]New Zealand(Wellington)
[国 籍]Japan
ランニング×トレーニングのオリジナルメソッド(特許取得済)を取り入れたグループランニング&ファンランイベントを全国で展開中。NIKEオフィシャルクラブパートナージム経営者。